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内部被曝の恐怖

この時期やからというわけじゃないけど、広島で被爆した医師が書いた『広島の消えた日 / 肥田舜太郎』(楽天ブックス・Amazon)という本を最近読んだ。
広島の消えた日
こういう本に対してマイナス面の感想を書いてええもんかどうか迷ったけど、思い切って書いてみる。本の帯には被爆手記とあるけど、それは終わりの三分の一。

三分の二は、8月6日までに陸軍病院で起きた出来事について事細かに書かれてて、被爆手記というより軍隊手記やった。不謹慎かもしれんが、ちょっと「看板に偽りあり」かと。

さらに、当人が文章を書き慣れ過ぎてるのか編集者の手が加わり過ぎたのか、ドキュメンタリーじゃなくてドラマっぽい。会話など、細部の描写が細かすぎる。リアルにしようとするあまり、却って……という感じ。

いちばん興冷めしてしもたのは、K少尉からもらった長い手紙。反戦的な内容だから読んだらすぐに燃やしてくれとあり、それに従って焼却したらしいけど、その割には、長文が克明に再現されてた。

しかし、爆発の瞬間、爆心地をさまよう場面、患者の症状にうろたえる医師たちの姿は間違いなく経験者で、そこに疑念を挟む余地はなく真剣に読まされた。

増補された文章では内部被曝の恐ろしさや ABCC、というかアメリカに対する怒りなど、やっぱり核兵器だけはやめとくれという気持ちが改めて強くなる。



驚くことに、これを書いた医師はご健在らしい。93歳とのこと。この医師に限らず、放射能の渦巻く広島や長崎市中を歩き回って内部被曝してても、かなり長寿の人がおる。

いろんな手記で書かれてるように、数日あるいは数週間のうちに亡くなってしもた人もおる。『夕凪の街桜の国』では、主人公は数年後に亡くなった。

この差は、いったいなにが原因なんやろう。不思議でしかたない。

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2010年8月 3日(火)23:30に書かれたエントリーです。

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